2024.03.28 Thursday

ドラレコ・・・

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    自動車の業界では、装着率がかなり高いドライブレコーダー。

    保険屋や警察が、事故などの過失割合を決める際にも、利用してます。

     

    先日、免許証の更新で警察署に行って講習を受けてきましたが、その時にも

    あおり運転などの過失を決めるのに、ドライブレコーダーが非常に重要だと

    聞きましたので、もはやドラレコは必須になりつつあるようです。

     

    ところが、二輪車になりますと車と違い、取り付けるスペースに余裕がない。

    また、雨や振動への耐久性も必要です。

     

    ごく最近、二輪用としてミラーの中にカメラが内臓されたドラレコが発売されました。

    デザイン的に、ハーレーにはまったく合わないので、取り付けることは無さそうですがw

    国産車の方で普及してくると、ハーレーにも似合うようなものが出てくるかもしれません。

     

    現状で、ハーレーにドラレコを付けるとなると、こんな感じになるようです・・・

     

     

     

    ステムの下側に前方のカメラ、Rフェンダー後部に後方のカメラ。

    カメラからのハーネスが、ドラレコ本体へ向かって伸びてます。

    それらのハーネスが行きつくのがこちら。

     

     

    シート下のバッテリーの周りに、隙間という隙間を埋めるようにドラレコの本体や

    ハーネス類がぎっしり・・・

    この車両の場合、純正のバッテリーではなく、リチウムバッテリーに換えられているので

    バッテリーが小さく、スペースがあるにもかかわらずこのような具合。

     

    致し方ないのかもしれませんが、これじゃやっぱり取り付けるにもハードルがまだまだ高い。

    配線1本を、どこかに挟みこんだりしてもトラブルは起きますからね。

     

    バイクは極力シンプルなのが一番。

    ミラーやウィンカーなどの保安部品を外すだけで、急に美しくなります。

    後付けの箱やバッグをつけた時点で、スタイル的には一瞬で台無しにw

    特に、パニアケースあたりは、国産車につけても終わってしまいます。

    個人的に、スクーターくらいにしか似合わないんじゃないかと思ってます。

     

    便利さに負けないで、冷静に愛車のフォルムをよーく観察しましょう!

    これを付けたらかっこ悪くなるなって思わないのであれば、OK。

    十人十色の世界ですから。

     

    ちょっと話が脱線しましたが、ドラレコに関して、ヘルメットに取り付けるカメラであれば

    いいんじゃないでしょうか?スマホとかとブルートゥースで繋がるようなもの。

    スマホに保存して、帰宅後にPCなどにデータを残す。

    これであれば、バイク側に取り付けるものはありません。

    しかもヘルメットについたカメラであれば、ライダーの視線ですからね。

    あとから動画としてみても、面白いかもしれません。

     

    とにかく、バイク側はシンプルにすることが、予期せぬトラブルを防ぐコツです。

    2023.09.23 Saturday

    ひたすら入荷待ち

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      前回のブログで、ジャンプスタートによって壊れてしまうパーツを

      ご紹介しましたが、そのうちの一つであるスイッチ。

       

      ジャンプスタートによる大きな電流負荷によって、基盤が使われている

      パーツが破壊される可能性があります。

      ECM・BCM・スイッチモジュールなどなど・・・

       

      CANバスシステムが採用されてから、左右のスイッチには基盤が入っており、

      スイッチとBCM(ボディコントロールモジュール)が信号のやり取りをしてます。

      その他にメーターや始動回路などの指令系統を担うBCM。

      コイツのおかげでカスタムには制約がつきまとい、スイッチやメーターを

      気軽に交換できなくなりました。

       

      おまけにどれも非常に高価。

      おいそれと注文できる金額ではないのです。

       

      今回の修理診断で、右側のスイッチモジュールの交換が必要ということになり、

      純正のパーツリストを調べると、余計なウィンカーまでくっ付いてくるせいか、

      定価が10万円越え・・・

      こんなものに10万円以上って、ちょっと尋常じゃない感じですが、交換しないことには

      直りませんから、しぶしぶ発注をかけました。

       

      すると、発注先から驚きの回答が!!??

       

      「生産中止部品、代替品なし」

       

      しばらく思考が止まりました。2017年モデルに使われているパーツが生産中止になってて、

      おまけに代わりのパーツもメーカーは用意していないってことですから。

      なんという頼りなさ。。。ハーレーよ、ここまで堕ちたか。

      新車で300万円もするバイクを買って、6年足らずで純正パーツが手に入らなくなるなんて

      一体なんなんでしょうか?

       

      どうにもならん事なので、社外品を探しました。

      するとDSから出ていましたよ。11年〜17年のダイナモデルにも使えるようです。

       

       

       

      余計なウィンカーも付いてきません。(当たり前だろうよ)

      価格も2万円くらい。(これでも高いと思ってますけど)

       

      早速、注文。

      回答は、納期未定のバックオーダーとのこと。

       

      予想してましたけど、案の定です。

      けっこうな確率で壊れるパーツのくせに、メーカー廃番なんだから、

      社外パーツに注文が集中することは必然ですね。

       

      どうやら高年式の修理事情は、残念ですがこれが現状です。

      平気でユーザーを見捨てるメーカーに成り下がってしまったハーレー。

      20年前、当時の本社社長が胸を張って言っていた言葉。

       

      「オラたちは100年前のモデルであっても、動かせるためにパーツを作り続けるだよ!」

       

      「だから安心して売ってけろ!」

       

      その言葉に感動した私は、たくさん新車を売りましたよw

      その数年後に経営陣がゴッソリ代わってしまい、方針も大きく変更。

      私が嘘つき呼ばわりされるじゃねーかってくらい、廃番パーツが増えました。

      でも、キャブ車時代や10年以上前のモデルのものであり、10年未満のモデルの

      パーツはいくら何でも廃盤になってることはなかったのですけど。

       

      今回は本当にびっくりしました。

      このスイッチが入荷しない限り、動かないバイク。

      社外パーツ頼みなんです・・・

      2023.07.25 Tuesday

      ぼったくりに気が付けますか?

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        ビッグモーターと損保ジャパンのニュースが、かなり話題となってますが、

        これらの影響は、もちろん二輪業界にも飛び火するでしょう。

         

        私の予想では、事故などの見積もりや保険会社への請求が、今まで通りではなくなること、

        不正を防止するための、透明性を求められることなどが、考えられます。

         

        この透明性、これを求められると困る業者は少なくないんじゃないかな。。。

        例えば、お店に車やバイクを車検と点検整備に出し、完了後にもらう請求明細書を

        見ると、車検代一式とか、整備代一式など、かなり省略された●●一式という項目があれば、

        それは透明性に欠けるわけです。

         

        ●●一式と書いてあっても、きっちり整備作業を行っている業者もいれば、端折っている

        業者もいます。この不透明さを無くし、やったこと、やってないことを明確にすれば、

        不正請求の防止になるし、何より、お客さんにとっても分かりやすくなります。

         

        車両購入時の車両代以外にかかる諸費用にも同じことが言えます。

        車両代は100万円(税込)と表示されていても、諸費用を合計した乗りだし価格は、

        お店によってかなり違います。

        当店では、車検を含めた中古車の諸費用は、車両代+10万円くらい。

        神奈川県内の某販売店では、20万円以上のところもあります。

         

        その内訳をしっかりと確認してますか?

        わけのわからない項目があったら、問い合わせたほうが良いですよ。

        車両代で安く見せておいて、実際に乗りだし価格は高いっていう、ある種の詐欺まがいな

        やり方は、その業者の体質だと思います。人間でいえば、人間性。

         

        作業工賃にしても、どえらい高い工賃を耳にします。

        他店の作業明細を、参考までに見させてもらいましたが、わざと分かりづらくして

        どれがどの工賃なのかがよく分からないw

        タイヤ交換の作業工賃の中に、ブレーキパッド交換も含まれているのかと思えば、

        次のページにいきなりブレーキパッド交換工賃が追記されていて、その工賃が

        パッド代よりも高いっていう・・・www

        私からすると、ツッコみどころ満載の明細でした。

        お客さんからしたら、余計に分かりづらいでしょうね。

         

        こういうことのないように、一貫した透明性を意識してます。

        当店の明細伝票を確認してみてください。もし、よく分からない点などあれば、

        お気軽にお問い合わせください。誤字脱字はご勘弁を。

         

        欲にまみれた日本の政治家にも、透明性を持ってほしいものですが。

        2023.03.03 Friday

        ご注意ください。

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          エンジン腰上とカム周りを外したスポーツスター。

          オーバーホール?カスタム?

          いいえ違うんです、エンジンから異音が出てきたので、その原因を探った結果、

          この状態になりました。まだまだ途中ですが・・・

           

          異音の原因は、Fシリンダー内でピストンが少し焼き付きを起こしたため、

          タペットとカムがカジッたことが一つ。

          厄介なのは、カジッたカムのシャフトを支えるブッシングまで逝ってしまったことです。

          しかもクランク側のダメージが大きい・・・

           

           

           

           

           

          カムケースの底部には、ブッシングの破片がキラキラしてます。

          おそらくクランクケース内部にも、同じような破片があるでしょう。

          オイルポンプにも回ってますよね。

           

          では、なぜこんなことになってしまったのか?

          そもそもの原因は、DIY作業でのガソリンタンク交換だったのです。

           

          ピーナッツタンクの純正カラ―を中古品で手に入れ、年式的に

          コックが右側のタイプだったので、小さなコックに交換。

          キャブレターの燃料ホースを短くまとめるため、キャブレターを外して

          作業をしていたそうです。

          そこでトラブル発生。自然落下式のコックのリザーブのガソリンが

          ドバドバ出てきてしまい、けっこうな量のガソリンがエンジンの上部から

          こぼれたようで、その時にインマニからエンジン内部の燃焼室へガソリンが

          流れ込んでしまったようです。

           

          流れ込んでしまったガソリンのことを忘れ、そのまま作業を続けていき、

          タンクを取り付けて、エンジンをかけてしまった。

          しかも、そこから数十キロ走ってしまった。。。

          これがエンジンを壊す致命傷になってしまったのだと思います。

           

          ウォーターハンマーとまではいかなかったけど、燃焼室でたまったガソリンは

          シリンダー内壁とピストンリングのオイルをきれいに流し、油膜の切れた

          状態になっていて、そこでエンジンスタートしたことで油膜が切れた箇所は

          軽い焼き付きを起こし、大きな抵抗が発生。

          その時に、タペットとカム山がカジりを起こして、異音を出し始めたと。

           

          カジりが起きてしまうほどの抵抗は、カムシャフトブッシングまでも破壊。

          そのまま走ってしまったことで、被害拡大。

          なんてことだ・・・・・

           

          ピストントップ、角やトップリングの上あたりに焼き付きを

          起こした痕があります。

           

           

          シリンダーの内壁にも、見たことのないようなシミのような傷が。

          ちょうど、サイドスタンドで車体が傾いた状態でガソリンが入ると、

          溜まる場所にあたります。

          この傷、指の腹で触っても分かるくらいで、はたしてオーバーサイズの

          ピストンの設定があるのか??

           

          それよりも、クランクケースのカムブッシングの交換は、エンジン降ろして

          完全にクランク割ってからの作業になります。

          スポーツスターはプライマリー周りとトランスミッションが一緒のケースに

          いますから、それらもすべて外します。

          つまり、エンジンは完全に分解しないといけないわけです。

          再使用できないパーツ含め、一体いくらかかるのか・・・

           

          たかだかタンクを交換したかっただけなのに、本当に悲劇。

          やっちまった勉強代としては高すぎる気がしますけど、03年の883Rを

          買い直すには、現状、もっと高い市場価格ですからね涙

           

           

          ひとまず原因を探った状態で、クランクはまだ割ってません。

          そこから先は、やってみないと分からないし、もしかしたら更なる大物交換パーツが

          出てくる可能性もゼロではありません。

           

          ガソリンのオーバーフローとか、漏れって、よくあるトラブルとして

          認知されてますが、本当に恐ろしいですよ。

          今回は、エンジンが壊れましたけど、車両火災ってこともあります。

          それが民家などに燃え移ったら・・・

           

          本当に気を付けましょう。

           

           

           

          2022.12.12 Monday

          DIY作業の注意点

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            ドゥーイットユアセルフ、いわゆるDIYという言葉が定着した昨今、

            ユーチューブやネット情報なんかを参考にして、自分でなんでもやってみる!

            という方が、すごく増えました。

             

            これ自体、すごく良いことだと思います。

            自分でやってみて、経験してみてはじめて分かること。いっぱいありますよね。

            そういった経験をすると、その道の職人さんやプロに対して対価を払うことも

            納得いきますし、価格の意味も理解できます。

             

            私は趣味でギターを弾いたり、スポーツを観戦したりします。

            その筋のプロたちは、いとも簡単に音楽を奏でたりボールを蹴ったり、

            相手をノックアウトしたりしているように見えますが、実際に経験してみると、

            いかにそれらが難しいかを思い知らされますw

             

            すると自然に生まれるリスペクトの気持ち。

            ただ批判したり憂いたりするのではなく、愛のあるフォローになります。

            あくまで私の場合ですけど。

             

            しかしながら、DIYをしてみた結果、人様に迷惑をかけるような結果だけは

            気を付けなければいけません。

            特に、バイクや車などを自分でカスタムしたりいじったりするのであれば、

            万が一にも事故につながるということを踏まえなければなりません。

             

            それはプロであってもあり得ることですから、素人であればその確率は

            上がってしまいます。

            危険や最悪の事態を、常に想定しながら作業する積み重ねです。

            一朝一夕で得られるものではないですが、初歩から十二分に気を付けないと

            えらい目に遭います。

             

            先日、店の前で一台の車がものすごい音を立てながら路肩の縁石にぶつかり

            停車しました。

            左前輪がホイールごと外れたことで、制御不能になったようでした。

            それなりにスピードも出てましたから、それはすごい音でした。

             

            もしも、バイクや車が並走していたら。

            自転車が路肩を走っていたら。

            制御不能になった車とぶつかっていたでしょうね。

             

            1時間ほどしてレッカー車が来て、外れたホイールを取り付けました。

            念のため、右側のホイールもチェックしたところ、ナットはゆるゆるだったそうです。

            運転手に聞くと、自分でホイールを交換したようで、前のホイールの時に

            入っていたオフセットスペーサーの意味が分からず、外さないでそのまま

            新しいホイールを取り付けた結果、ホイールが外れる目に。

             

            ナットのトルク管理もせず、オフセットスペーサーの意味も分からず、

            ほぼ知識のない人間がDIY作業によって起きた事故だったわけです。

            壊れたのが自分の車だけで、本当に運が良かった。

            人を巻き込むような事故だとしたら、目も当てられない。

            高速道路であれば、無事では済まないかっただろうし、多大な迷惑を

            かけたことでしょう。

             

            こんな車が平然と走っているという現実。

            ちょっと考えものです。

            いくら自分が気を付けていても、運が悪いと巻き込まれるんです。

             

            バイクからモノを落としたりすることも、運が悪ければ後続車が事故ります。

            少しの心がけで防げることも、たくさんあります。

            年末は事故など増えますから、いろいろと気を付けましょうね!

            2022.07.01 Friday

            続・物価上昇

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              部品の値上がりが止まりません。

              原油・材料価格の高騰、止まらない円安で、輸入製品を多く扱う業界では、

              毎月のように値上がりのお知らせが届きます。

               

              ハーレー業界なんて最たるもので、輸入ホイールの価格などは、1年前より

              1.5倍くらいになってます。

              円安の影響で2割増し、アルミの高騰で2割増し、輸送コストで1割増し

              といった内訳でしょうか。

               

              ガソリンに関しても、政府が緊急対策を施したはずなのに、値上がってます。

              電気代も値上げのようですし、ウクライナ情勢で輸入穀物やロシア産の魚介類も

              大打撃ですから、生活必需品の物価上昇も大変なことになってます。

               

              戦争が続いている状態では、まだまだこの厳しい状況は続きそうです。

              コロナが収まってきたと思ったら、これですからねー。

              たまったもんじゃないですね。

               

              当店で扱っているパーツも、この7月からほとんどが値上がりです。

              オイル、タイヤ、輸入パーツ、ケミカル・・・

              数年前に、ツインカムエンジンのカムギア化(26G)修理の見積もりの目安は、

              20〜22万円でしたが、2ヶ月前の作業時で25万円。今月からは27万円と、

              ここ数か月で急激に上がってます。

              おまけにパーツによっては納期が結構かかりますから、本当に不安定な状態。

               

              こんな状況で税金まで上がるのか?

              コロナ助成金などでばら撒いた金を回収する動きもあるようなので、今度の

              選挙では増税しそうなところには絶対に入れないようにしなくては。

               

              輸入パーツの価格は、円高になれば下がります。

              大きなカスタムをお考えの方は、為替の状況を見てからがいいかもしれません。

              2022.06.26 Sunday

              新規車両の点検に関して

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                梅雨は明けたっぽいですね。梅雨入りですって言われてから、

                ちょこっと雨が降っただけで、ずっと晴れてる・・・

                怪しい占い師みたいだな、天気予報の当たらなさは。

                それにしても暑くなりすぎで、参ってます。

                 

                さて、最近新しいお客様の車両を点検する機会が増えておりまして、

                今まで他店で点検や車検を行っていた車両です。

                 

                まず、結果から申し上げます。

                酷い整備、いい加減な作業。もう大変です。

                 

                いくつかのケースをご紹介。

                 

                1台目は、2015年モデルのXL1200X。

                エンジンをかけると、なんとも不安定なアイドリング。

                アクセルレスポンスの悪さ、マフラーからの黒煙。

                ECMをみると純正なので、中身が書き換えられているようです。

                スイングアームには、書き換えたとみられるショップのステッカーw

                誇らしげに、インジェクションチューンを施した証のステッカーみたいです。

                 

                スパークプラグを見てみると、真っ黒。

                インジェクションで、この黒さはなんなのか?

                新品のプラグに交換しても、やはりかぶり気味に。

                 

                マフラー外して、エキゾーストポートを見てみたら、カーボンがびっちり付いてます。

                とても効率の良い燃焼が行われているとは思えません。

                O2センサーも、カーボンで真っ黒でした。

                こんな状態だと、車検で排ガスが通らないと思い、テスターで測定。

                予想通り、COもHCもブリブリ上がり、完全アウトです。

                認証工場なので、排ガステスター持ってますけど、なぜか車検場のテスターと

                数値が違います。大体、うちでテスターに出た数値の倍くらいが、車検場の

                テスターの値になります。

                なんとか誤魔化して排ガスをクリアーできたとしても、このセッティングでは

                まともに走るとは思えないので、コンピューターはしっかりしたものに交換ですね。

                 

                 

                2台目は、2005年モデルのXL1200Rです。

                こちらはいっぱいありましたw

                まず、最初に試乗した時、明らかにキャブのセッティングがおかしいのと、

                走行安定性に問題があることが分かりました。

                 

                1速に入れて発進しようとするとき、力がなさ過ぎて、回転数を無駄に上げながら

                クラッチをゆっくり繋がないと、エンストします。この状況だと、クラッチが

                早期に終わります。

                走行安定性に関しても、まっすぐ走らせているはずなのに、フラフラして

                乗車している体のどこかに変な力が入ります。

                 

                じっくり12カ月点検を行いました。

                いつも診させていただいている車両の3倍は時間がかかりますねw

                判明したのは、プライマリーチェーンの張りすぎ、ドライブベルトの張りすぎ、

                ドライブベルト左右アライメントのずれ、クラッチ調整の不具合とケーブルの

                取り回しNG、エアークリーナー取り付け不良、バッテリーケーブル取り付け不良、

                Fフォーク取り付け不良、ステムベアリング調整不良・・・・・

                 

                他にも細かいのがありましたが、もう忘れたw

                キャブレターのセッティングに関しては、ノーマルで使われているはずの

                メインジェットが1200ですと200番なんですが、なんと160番が

                入ってました。ミクスチャーの戻し回転数も少なすぎ、スロージェットも

                小さい。まさかカリフォルニア仕様の883のキャブ?

                 

                ドライブベルトの張りすぎ具合は半端なくて、Rタイヤを空転させようと

                しても、かなり力が要るくらいでした。おまけに左右のアライメントが

                ずれているから、Rホイールが曲がって付いているような状態。

                 

                一番びっくりしたのは、ステムベアリングです。

                フロントエンドを持ち上げて、ハンドルを動かしてみてビックリw

                ステアリングが異常に重い。

                原因はベアリングの締めすぎです。

                 

                これらの併せ技で、走行安定性が異常なまでにおかしかったんですね。

                こんな状態で走り続けていたら、バイクは壊れるし、何より事故ります。

                某全国チェーンにずっと出し続けていたようですけど、この惨状をみたら、

                もう出せないですね。バイク整備の基本すら分かってないようです。

                バイクを壊されてお金払ってるようなものですから、お客さんはたまったもんじゃない。

                 

                この2か月で、他にも何台か異常な車両をみました。

                このような新規の車両は、点検に時間がかかるし、不具合が見つかったときに

                お客さんと相談しながらの進行となりますので、完成予定が遅延します。

                予算もありますからね。

                 

                初めてのお客さんには、その辺りを考慮していただく必要がございます。

                繁忙期ですので、点検・車検のご依頼は、余裕をもってご連絡ください。

                よろしくお願いいたします。

                2022.05.27 Friday

                中古車の状態

                0

                  先日アップしたスポーツスターの中古車ですが、ありがたいことに

                  即、ご成約済みとなりました。

                  これから納車に向けて、バッチリ仕上げさせていただきます!

                   

                  今回の中古車、1998年式のXL1200Sなのですが、中古相場が上がってまして、

                  同程度の車両が税込みで130万円前後になっています。

                  買い取り価格も同様に上がっているのなら、売値が上がるのもまだ納得できますが、

                  買い取り価格はそれほど上がらず、売値だけが上がっている状態。

                  お分かりいただけると思いますが、そういうことです。

                  いくらで買い取ってきたとかいうのは、企業秘密。

                  いくらで売ろうって決めるのも、そのお店次第なわけです。

                   

                  当店の中古車(委託車は除く)に関しまして、不具合や交換必須の消耗パーツは

                  修理もしくは交換して、なおかつ保証付きで新しいオーナー様のもとへお渡しします。

                  なので、買い取り金額に修理や交換したパーツの分などが加わり、プラスある程度の

                  利益をのせて売価を決めます。

                  ある程度の利益とは、保証を付けてお売りするのに必要十分なくらいですから、

                  大儲けはできませんw

                   

                  だってそこからが、新しいオーナーさんと当店のスタートなわけですからね。

                  楽しく気持ちよく乗ってもらいたいのに、ふっかけるような姑息な真似は

                  したくないですから。

                   

                   

                  さて、中古車の話なわけですが、どこの誰がいじったのかよく分からない車両が

                  ここのところ目立ちます。

                  個人売買やインターネットオークションなど、正直、かなり怪しいものが多いです。

                   

                  最近お預かりしたスポーツスターですが、個人ではなく、某英国車を扱っている

                  お店から購入したそうです。

                  そう聞くと、お店が介入しているから安心だと思ってしまいますよね。

                  ところがどっこい。

                  なかなかトンデモナイ状態です。

                   

                  Rホイールを外す際、アクスルナットの割ピンがほっそい針金みたいなものが入ってて、

                  その辺から怪しさ満点にw

                  肝心のアクスルナットは規定トルクのおよそ半分以下。

                  テーパーローラーベアリングなんで、トルク値は重要です。

                   

                  そしてブレーキローターを見ると・・・ん?なんかずれてない?

                   

                   

                  これ、締め付けトルクが弱かったのもあるのですが、ハブの穴がスクリューの径より

                  二回りほど大きいのが原因です。

                  案の定、プーリーの締め付けトルクも緩々で、このまま走っていたら大問題でした。

                  5本のスクリューで止まっているプーリーやブレーキローターは、1本が緩むだけで

                  他もそのうち緩み出します。そしてあるとき折れます。

                  インパクトのようなバックトルクがかかったり、衝撃が加わるので、必ずロックタイトと

                  規定トルクで締め付けないと、最悪死亡事故につながります。

                   

                  ハブの状態を見ると、プーリー側とローター側の穴の径が同じでした・・・

                   

                   

                  そして、リムバンドではなく、ビニールテープw

                  スポークの組み方も、かなり雑なようでして、この状態のハブを

                  新しいスポークとリムに流用するのはNGと判断。

                  お客様には新しいハブを購入してもらうことになりました。

                   

                   

                  チューブのバルブステムの部分の穴も、長穴に加工されてます。

                  在庫のチューブを使いたかったのかな?それにしても雑な作業です。

                   

                  これを組んだ人間が、テーパーローラーベアリングのエンドプレイを測定して

                  組んでいるとは考えられないので、やはりハブも新しくして正解でしょうね。

                   

                  ばらしてみて分かる不具合、人の手による不具合、走行距離は不明、事故車?

                  などなど、不安要素はたくさんあります。

                  このレベル、某英国車も壊れまくってるんだろうなw

                   

                  この手の中古車、購入してからだいぶお金がかかります。

                  まだ試乗してないからエンジンやミッションの状態は不明ですが、ホイールを

                  組んだら、一度足回りはチェックしないと、怖くて試乗もまともにできない。

                   

                  安心して乗れるようにしたいけど、お金も時間もかかるので、本当に悩みますね。

                  2022.05.14 Saturday

                  DIYの注意喚起

                  0

                    昔から当たり前のように言われる自己責任。

                    決まり言葉のように、言えばOKみたいなもので、発信する側からしたら

                    とても楽な言葉です。

                     

                    ハーレー界での決まり言葉は、何か不具合や故障があったときに

                    「ハーレーですからねぇ〜」

                    整備に自信のないお店や、適当な営業マンが笑いながらの決め台詞。

                    これ、私は嫌いです。

                     

                    たしかにホンダなどの国産車に比べたら、ハーレーのトラブルは多いです。

                    ちゃんと整備・メンテナンスしていても、起きるときは起きます。

                    それが嫌ならメーカー保証付きのホンダの新車をメーカー規定のノーマル状態で乗って、

                    万が一不具合が起きたらメーカーに保証してもらえって話なんですw

                     

                    カッコよくしたいとか、乗りやすくしたい、速くしたい、個性的にしたい・・・

                    これら乗り手のエゴが、カスタムをすることになります。

                    カスタムした時点で、上記のメーカー保証というものからは対象外になり、

                    そこには自己責任とかっていう文言がこれ見よがしに付け加えられます。

                     

                    そりゃそうだ。

                     

                    冷静に考えれば、簡単なことですよね。

                    ただこの言葉は、メーカーが言うか、素人が言うかで、責任の重さが

                    違う気がしますが、言葉の意味は同じです。

                     

                    だから、適当なショップや素人ユーチューバ―なんかがアップしている

                    情報を鵜呑みにすると、大変な間違いを犯してしまいます。

                    みんな口をそろえて、

                    「参考にしてください。ただし自己責任で。」

                     

                    現にハーレーのメンテナンスなんかをアップしている動画って、驚くほど

                    沢山ありまして、そのほとんどが突っ込みどころ満載です。

                     

                    プロがアップしている作業動画でさえも、正直、首をかしげてしまうような

                    内容だったりしますから、分からずにDIYで参考にしたりすると、

                    バイクを壊してしまいます。

                    そういった間違いだらけのDIY作業の積み重ねで、ギリギリ走っているような車両は、

                    筋金入りのポンコツバイク。

                    本当に残念なことになっているものがほとんどです。

                    ちゃんとした状態に戻すのに、一体いくらかかるんだ?ってことになります。

                    個人売買で掲載されているバイク、特に要注意です。

                    外観だけ普通に見えるけど、とんでもない状態のものが多いです。

                     

                    販売条件や車両の状態、保証の有無と内容を確認したうえで、専門店で

                    購入することが間違いない。それなりの金額は、安心料だと思ってください。

                    プロが培った知識と経験と技術、とても一朝一夕では得られません。

                    お店の見極めも、大事なポイントですね。

                     

                    DIYでの作業をやってはいけないとは、言いません。

                    せめて元の状態に戻せるくらいのスキルは必要不可欠。

                    なにも高価なバイクで試すことはないと思いますよ。

                    2022.04.19 Tuesday

                    止まらない物価上昇

                    0

                      ウィルスによる物流の船便・コンテナ不足だけでも大きな痛手なのに、

                      戦争による影響が物価の上昇を促してます。

                       

                      特に、輸入品は円安が進むと顕著に上昇しますから、ハーレーパーツは

                      まさに直撃。

                       

                      先日、久しぶりにPMやRSDのホイールの価格を調べていたら

                      予想以上の値上がり具合でした。

                      数年前まで15万くらいだったホイール1本。20万近くになってる?

                      と予想しながら価格を見ると、なんと25万近くになってました!

                       

                      前後のホイールだけで50万円・・・これに加えて、ブレーキローターや

                      プーリー、キャリパー等の御馴染のセットで合わせていくと、100万円の

                      大台越えか!!??

                       

                      正直、見積もりするのが馬鹿らしくなるくらい、過去最高の値上がり具合です。

                      今後、さらなる原料や円安による値上げが予想されますから、まだ頭打ちでは

                      ないってところが恐ろしいです。

                       

                      ハーレーの純正部品も、毎年ちょこちょこ値上がる一方でしたが、今年中に

                      もしかしたら大幅な値上げが行われるかもしれません。

                       

                      輸入パーツだけでなく、国内生産のパーツにももちろん影響があります。

                      日本メーカーが東南アジアで生産しているパーツなどは、納期すら未定に

                      なっていたり、やはり原材料費や運送費の高騰で、価格も上がってます。

                       

                      タイヤ、オイルなどの消耗品も同じく値上がり、在庫状況も未だ不安定です。

                      メンテナンスや車検において、消耗パーツに関しては、無くなってしまうと

                      走行不可能になってしまいます。

                      カスタムに関しては、必要なパーツが多くなればなるほど、入荷までに

                      お時間をいただく可能性が高いです。

                       

                      どちらも、お早めに動くようにしてください。

                      Calendar
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